知人から「ロッククライミングに行かない?」と誘われました。
しかし私は、高所が苦手な上に、山登りの経験もありません。
最初は躊躇していましたが、よくよく聞いてみると、バンコクのボルダリング施設でした。
それなら手が滑ってもすぐに効く命綱もあるはず!ということで、タイでボルダリングに初挑戦します。
ボルダリングができる場所
バンナー(Bangna)地区にあるROCK DOMAIN Climbing Gymは、バンコクの中心街からは、車で30分くらいの距離です。
到着したのは開店時間の朝10時ちょうどでしたが、既にやる気あふれる方たちが、登る準備を進めています。
とりあえず、申し込み用紙に名前や住所を記入して、恐る恐る英語で
「初めてなんです〜」
と言うと、流暢な英語で
「大丈夫ですよ〜」
と返してくれました。
タイ語が使えない私は、とりあえず一安心! 顔写真を撮ってもらって、受付終了です。
ちなみに、初心者でも2人以上のグループで来たら、安全確保器具(ビレイ デバイス)の使い方などの初心者講習もしてくれます。
フルレンタルでボルダリングを始めます
サンダル履きの軽装で来た私は、ボルダリングに必要なものを貸していただきます。
- シューズ
- ハーネス
- ビレイ デバイスとカラビナのセット
他にも、ロープやチョークバックを借りることもできますが、そんなに難易度が高いことをするつもりもなく、一緒に来た知人にビレイヤーになってもらえるので、今回はセルフビレイ用のロープも使いません。
周りのベテランの方たちを見様見真似して、短パンを履く要領でハーネスを通して、ベルトをしっかりと締め付けました。
基礎知識を習得しましょう
さて、高所恐怖症の私がボルダリングをしにきたのには、楽しみたい!ということ以外の目的があります。
それは、本場のロープワークを体験してみたい!ということ。
ハンモックを使ってのキャンプが好きなので、
- フィッシャーマンズノット
- ボーライン(もやい結び)
- プルージック
など、数種類の基本ロープワークは知っています。
ハンモックを楽に設置するために、ラッペルリングと登山用カラビナも持っていますが、おそらく特殊な使い方になっていると思われます。
そこで、この日はロープや登山器具に自分の命を預ける方法を、しっかりと勉強していきたいと思います。
ボルダリングの装備やロープワーク
それでは、実際に教えてもらったロープワークを復習してみます。
今回お世話になったクライミングジムは、低いコース以外には頂上に滑車が取り付けられているので、トップロープ ビレイを行います。
最初に、登る人と、下で安全確保するビレイヤーともに、ハーネスを身につけます。
なお、ロープワークや器具の使い方、そしてビレイヤーのロープの操作方法も、間違えると命に関わるものなので、初めての方はインストラクターについてもらうことを強くお勧めします。
私たちもインストラクターについてもらいましたが、最初の講習でしっかり理解できたと感じたうえで、実際にやってみたら、ロープの操作方法が間違っていていたりして、その場でもう一度教えてもらいました。
登る人は、エイトノットで安全確保
ボルダリングに挑戦するにあたって、いちばん興味を持っていたのが、自分の体重を支えるロープの結び方です。
キャンプで使えるロープワークを学習した本には、「ボーラインは、張力がかかる方向によっては緩む場合があるので、最近はあまり使われていない」と書いてあった記憶があります。
弾けそうなほどの好奇心とともに、インストラクターのロープワークを見ていて、エイトノットだ!とわかりました。
- ロープの端から1mくらいのところに、8の字状の結び目を、少し緩めに作っておく(エイトノット)
- ロープをハーネスに通す
- 先程のエイトノットを逆に辿る要領でロープを通していく(フィギュアーエイトフォロースルー)
- 余ったロープの端は、止め結びをしておきます。
後から調べてわかったのですが、もっと競技大会など本格的な場合は、止め結びとしてダブルフィッシャーマンズノットを使うようです。
ビレイヤーは専用器具を使います
登山用の道具は、機能重視でアルマイト色が渋く、かっこいいものが多いですよね。
普段の生活どころか、普通のキャンプでも全く使わないビレイ デバイスも、使い方を教えてもらえるだけで、クライミングジムに来た甲斐があります。
- 利き手側に端が来るように、ロープを折り返す
- ビレイ デバイスに、折り返したロープを通す
- 折り返し点を、カラビナに通す
繰り返しになりますが、初めての方はインストラクターに教わってくださいね。
登る前のチェックポイントや操作方法など、ここでは紹介しきれない重要項目を、インストラクターから丁寧に教えてもらえます。
それでは登ってみましょう
ビレイヤーとお互いの安全確保の最終確認をして、「クライミング!」、「クライ オン!」と声を掛け合ってから、登り始めます。
下から見上げた時には、それほど高くないと感じていましたが、実際に登り始めると、すぐに自分が高所恐怖症だったことを思い出します。
半分くらい登ったところで、ビレイヤーがしっかり支えてくれていることは、全く忘れてしまいました。
恐怖心に勝てなくなったので、ビレイヤーに「テンション」と声をかけてから、降り始めます。
降りる時に全体重がロープにかかりましたが、この時初めてハーネスやロープがしっかりと体重を支えてくれることを体感できて、当たり前ですが、手が滑っても大丈夫だということが、ようやく頭にインプットされます。
2回目からは、器具やビレイヤーを信頼して、登ることに専念できました。
ROCK DOMAIN Climbing Gym
2時間ほど楽しんだROCK DOMAIN Climbing Gymは、倉庫や工場のような大きな建屋の中に、ボルダリング用の壁が設置されています。
日本のクライミング ジムには行ったことがありませんが、ここは相当大きな施設のように感じます。
私は挑戦しませんでしたが、中央付近には、下から見上げただけでも怖くなりそうな高さのコースもあります。
この日は、一人で来られている方、カップル、友達同士などで、合計で30人くらいの方たちが、同時に楽しんでみえましたが、コース数が多いので、まだ十分に余裕がありました。
インストラクターやスタッフさんも親切で、私のように少し体を動かすつもりだけの初心者でも、充分に楽しむことができました。
高所恐怖症にもかかわらず、次の日には、また行ってもいいかな?と思い始めています。